昨年、2度目のインド旅行で初めて訪れたそれが最後なのだが、ムンバイはとても印象に残な街のひとつだ。
インドでありながら、みんながイメージするインドではない、
でも居心地が良くて、6泊もしてしまった。
普通ここを拠点として向かうエローラやアジャンタの遺跡を見ることもなく。(なにしろ僕は都会が好きなので)
しかし、僕らのように金持ちでもないし、商用でもない、そんな日本人の大人が旅するにはちょうどいいホテルが少ない街。
空港近くのビジネス客用の5ツ星か、アラビア海沿いの高級ホテル。
それに続くのは、グッと下がって1万5千円くらいで、しかし日本人には信じられないくらいにレベルがひどいホテル。
そしてあとはガツンと下がってバックパッカー用のホテル。
そんなムンバイに訪れたのは、アラビア海特有のモンスーンの季節に入る直前だった。暑い。
でも、 (夜には大きなカーブに街灯が均等に灯される様子から) 『女王の首飾り』 と呼ばれる海沿いの道路を歩くと、朝も昼も夕暮れも気持ちがいい。防波堤にもたれて、初めてのアラビア海をしばらく見ていたものだ。
その女王の首飾りを南へ下ってゆくと、カーブの最後のあたりにそびえるのが今回襲撃の一つがあった
トライデントホテルだ。
今回の野蛮で卑劣な事件は、昨年のムンバイの印象深い記憶も加わって、とても怒りを覚えるし、被害に遭われた方々のことがつらく思われる。
正面のグリーンのライトアップがエアインディアで、その隣がトライデント、その奥にオベロイがあるはず、クイーンズネックレスにて。
トライデントホテルの建物はもともと、同じく襲撃のあった隣の
オベロイホテルの別館だったようで、後にヒルトンタワーズとなり、今年提携を解消してトライデントと名前を変えたらしい。そのせいか、ニュースではオベロイ・ヒルトン・トライデントが最初ごっちゃになっていた。いずれにしても欧米人、そして日本人ビジネスマンの多いホテル。
外国人客と言えば、
タージマハルホテル。
もともとは財を成したインド人のタタ家の人物が、どんなに金を持っていても 白人用ホテル に入れなかったことから、自分用に建てた、とどこかで読んだことがある。インド門近くの海を目の前にした一等地のホテル。
エレファンタ島行きの船から見たタージ旧館と新館
(テロリスト達もこの風景を見ながら船で上陸したのか)
昨年はドームを修復していたが、今回鮮やかな色のその根元からは火が噴きだしていた。
僕らは昨年ここに朝食を食べに行った。到着した夜にチェックインしたホテルが、プリンスホテルくらいの値段の割りには、日本人が想像できるホテル以上にひどいことに朝から腹を立て、次のホテルに変えるべくタージに朝食を食べに行ったのであった。(結局その後チェックインしたのは、タージより安い、日本風に言えばこじんまりしたブティック
ホテルだったのだが)
朝食を取れるレストランの場所をコンシェルジュに聞いたのは、天井が意外にも低く薄暗いフロントロビーで、今回の襲撃の一つがあった場所か。
宿泊客以外は入れないはずのパティオにて
朝食のビュッフェは落ち着いた面持ちとスマートな接客で、インドに着いた翌朝であることを忘れてしまう。
今回わざわざ狙われた最上階の会員用クラブなんて、奴等にすればまさに 『標的とすべき』 場所だったのだろうか。(ビュッフェを出るとレセプションは中国人団体で溢れて、マカオ行きのフェリーの乗り場みたいだったが)
現在いずれのホテルも、サイトのトップページには、事件におけるホテルの現況と、宿泊客への連絡方法を記している。
さて外人客多しと言えば、襲撃されたレオポルドカフェもその一つ。
でも僕にはこれがちょっとわからない。確かに外人客は多いのだけど、ここに多いのは欧米人とは言え、オベロイやタージに泊まる層とは全く違うはずなのだが。
富裕層やビジネスマンでなくとも、欧米人であれば標的とみなされたところが恐ろしいし徹底している印象。
欧米人とインドの若者で混んでいた
このカフェと名のついた食堂に入って思い出したのは、バンコク・カオサン通りにあるバックパッカー用の 『なんでもケチャップ味』 みたいな店で、客層も似ているように思えた。
レオポルドカフェ以外のムンバイの食事は皆おいしかった、そんな記憶の場所。サイトはイカシてるけど、事件への対応は一切なし。
レオポルドカフェの妙な中華
たった一度の滞在だから街のしくみは本当にはわからないけれど、旅行者にも見て取れたムンバイの印象で思う今回の事件。
10年ほど前、エジプトではルクソールのテロの後、観光客が激減してしまい、いろいろな番組でエジプト観光局?タイアップのエジプトモノが増えたときがあったが、
ムンバイと言う街は、ビジネスの街。否でも応でもそこに行かなければならない人はたくさんいるだろうし、本人はもちろん家族の心配は当分続くだろう。
ところで、日本のKYな首相が
『明らかなテロだから断固戦わないといけない』 と言ってたけれど、あの人がいったい何にどうやって戦うんだろう。